こんにちは。

青年海外協力隊として2年間モザンビークで活動中です!

2010年9月28日火曜日

24歳はアフリカで。

今日(9/27)は自分の誕生日、まさか24年前にアフリカで迎えることになろうとは誰も思っていなかったでしょう。はるばる日本やインドネシア、中国、マレーシアなどからメッセージ、ありがとうございました。

こちら、モザンビークでは、孤児院の子どもたちにケーキを買っていきました。(そう、モザンビークでは誕生日を迎えた人がパーティーを主催、準備するのです。)
40人分のケーキはさすがな値段なので、どう準備しようか迷いましたが、
親戚や家族と暮らしていない孤児院の子どもたちは誕生日会に呼ばれることもなく、ケーキもめったに食べられないので、ここは奮発して全員分足りるような大きなケーキを近所のおばちゃんに頼んで作ってもらいました。(日本円で3000円、15000円ぐらいの実感です。高っ!)
これがそのケーキの写真!中身はチョコレートとオレンジの2段作りです。

風船も買ってきて飾りつけ、準備完了。ケーキを見た子どもたちはたちまち大興奮!

こっちでは誕生日を迎えた人がケーキ入刀、



まずは自分が食べて、


小さな女の子がめっちゃ食べたそうです。笑
そのあとはみんなに配分。



ゆっくり、噛み締めるように食べていました。
子どもたちもこっそりカードを用意してくれていて!!貴重なノートのページを破ったり、わざわざ友達に色鉛筆を借りたり、どこで見つけてきたのか、封筒の中に5円を入れてくれる子までいて、これぞ教育者の幸せです。


一つ複雑なことを言うと、僕はお金持ちなのでこうしたケーキを用意できますが、2週間後に誕生日を迎える同僚にはそのお金はありません。だから彼女のときはケーキなしで歌とカードだけになってしまいます。(僕も、全員の職員分準備するお金はありません。)そういう時、モザンビーク人がどういう気持ちになるのかはまだわかりませんが、もしかしたらなんとなく不公平だったり嫉妬を感じさせてしまったかもしれません・・・。
もう一つ、孤児院の子どもたちの誕生日も祝いたいのだけれど、彼らは自分の誕生日を知らないことが多く、それもできないのです。

少なくとも、今日のちょっとのケーキが、少しでもみんなの思い出に残りますように!



P.S.すばらしいセンスを感じる、子どもが描いてくれた僕の似顔絵。笑

どこで何をしているのか

先月から配属先での活動が始まりました。
(協力隊では、自分たちが働くところを配属先と呼びます。公共機関や学校、NGOが多いです。)



僕が働くのは、公立の孤児院。40人弱の、家族と一緒に住むことができない子どもの面倒をみている施設です。子供は2歳から18歳まで、ほとんど男子ですが、女の子も10人くらいいます。両親をなくしてしまった子、両親はいてもお金がなくて育てられない子、親元から逃げてきた子、迷子になって親とはぐれた子、障害があるために家族から見捨てられた子どもたちなどが生活しています。

迷子がいるっていうことに驚いたかもしれませんが、30%ぐらいの子が迷子で来ています。親が仕事を求めて中心地まで来たんだけれど、慣れない移動で子どもとはぐれてしまう。さらにこっちでは警察の機能が弱いために自分の子供がどこに預けられているのかわからない、どこに預けられているかわかってもひきとりにいく交通費がない、孤児院の存在を知らず、道で暮らしていると思っているため迎えに来ない、などの要因で子どもは孤児院での生活を余儀なくされています・・・。親は携帯電話を持っていないことが多く、子どもも番号を知らないので連絡のとりようもないんです。

大半の子供たちは、孤児院から近くの学校に通っていますが、全寮制の学校に入り、夏休みだけ孤児院に戻ってくる子なんかもいれば、学校が嫌いで行かなかったり、学期の途中に孤児院に来たために学校に行っていない子どももいます。

職員は約10名。校長先生、予算管理係、教育係、警備係、料理係など。そのなかで僕は2人の教育係の同僚と一緒に、子供たちの教育を担当しています。

公立の孤児院なので、とにかくお金がありません。
子供たちは靴をはいていないし、ぼろぼろにやぶれた服を着ています。子供用の小さなベッドに2-3人が寝る状態。食事は白米と魚、鶏肉、野菜などあるようですが、僕がみたときは魚といっても魚の頭の一部だけ。魚肉は入っていませんでした…。教科書は持っていないし、ノートも十分にはありません。ある中学生の子は自分の服を売ってノートを買ったと言っていました。


遊び道具はサッカーボールが一つ。みんな、コーラのビンのキャップとか、石で遊んでいます。

40人も子供がいると、うるさくてにぎやかかと思うかもしれませんが、一緒に遊んでいない限り、どことなく寂しい雰囲気です。


それから驚いたことは、子供たちには「大人と遊ぶ」という考えがないこと。日本だったら学校に20代のお兄さん・お姉さんが遊びに来たら一緒に遊ぼうと寄ってくると思うのですが、こっちの教育係のお姉さんたちは厳しく子供を叱っていて一緒に遊んだりはしないようなので、子供もそもそも「大人は自分たちをしつける人たち」だと思っていて、一緒に遊ぶ人たちとは思っていません。

ここでの僕への要請内容は、孤児院の生活をもっと楽しいものにすること、子供たちが孤児院を出ても自立できるような学力、生活力を身につけるようにすることです。

はじめのうちは子供の名前を覚えたり、教育係のお姉さんたち二人と一緒にモザンビークや日本の遊びを一緒にやっていました。
現状は複雑ですが、その分強いやりがいを感じます。
少しでも何かを変えられる希望を持って!

2010年9月5日日曜日

アフリカのプロが残したコトバ。

協力隊員が派遣されているすべての国に「ボランティア調整員」という方がいて、
僕らの仕事、生活を支えてくださっている。
現地でボランティアの必要性を調査し、日本にボランティアの要請を出すところか
はじまり、僕らが到着してからも安全対策、住居の確保や配属先との面談など、
すべてをサポートしてくださる存在である。

8月に、大変お世話になっていた二人の調整員の方が日本に帰国された。
一人の方は僕らの受け入れ担当の方で、本当に優しく、隊員誰からも人気のあった方だった。

もう一人の方はアフリカでの勤務暦も長く、その有能さで有名だった「アフリカのプロ」。

その方が、帰る際に新隊員に向けて送ったメールの一部。

***

それぞれの任地へ赴任され、これから二年間いろいろな苦労 や楽しみがあるでしょう。
面白いなあと感じる人は世界が広がるでしょうが、
不平ばかり言っている人は苦労ばかりの二年間になるでしょう。
物事はすべて自分の考え方次第です。
 
モザンビークは歴史的にも文化的にもたいへん興味深い国です。
長い長い差別の歴史とお互いを殺しあう内戦の悲劇という歴史を持つ モザンビーク。
皆さんがそれぞれの場所でモザンビークに深く関わり大いに学ばれる ことを期待しています。
 
***

その方の考え方がぎゅっと詰まった文章なぁ、と思った。

彼女はバリバリ仕事や交渉を進めながらも、絶対に笑顔や楽しむ心は忘れず、
本当にここでの生活を満喫して、楽しんでいらしたなぁと思い出した。

2年間での一番大切な心構えを、たった1ヶ月の間でも十分教えてもらった気がします。
本当にありがとうございました。

首都で起こった暴動

久しぶりの更新になってしまいました・・・。
首都から任地まで移動し、インターネットの会社を一生懸命働かせ、
ようやく先週から家にネットが入りました。
実はモザンビークの首都で先週、大規模なデモが発生し、
隊員は自宅待機の支持を受けていました。
近年、モザンビークの政情は安定していると聞いていたし、
実際にここで暮らしていても政情不安は感じないので、
このニュースを聞いて、テレビで暴動の様子を見た際には正直驚きました。

いったい何が起こったのかというと・・・
(情報・写真は Wall Street Jarnal, Financial Times, Noticias より thanks Mr.Y!)

�デモの状況


9/1-9/2に、モザンビークの首都マプトで発生した暴動が発生し、
市民は暴徒化し、車に火をつけたり、店を壊して物を盗んだり、投石を行った。

警察はゴム弾を打って暴動を抑えようとしたものの、
途中から銃弾を使うようになり、7名の死者と280名の負傷者が出た。
政府によれば、経済的な被害額は400万円ほど。

現在は暴動は首都では収束状況にあるが、地方都市に今後波及する可能性がある。

�暴動の直接の背景(食料、石油価格の上昇)

モザンビークでは、政府がパンの価格を約30%上昇させることを宣言しました。
ちょうど9月から価格が上がることになっており、それをうけて9月1日に暴動が行われた模様です。
パンに限らず、食料価格の上昇は世界的に深刻で、国連食料計画によれば、食料価格は昨年に比べて16%上昇しているそうです。
世界的な食料価格上昇の大きな要因となっているのは、ロシアで深刻な干ばつが発生し、穀物の輸出規制を1年間延長したことや、
オーストラリアでの異常気象だそうです。
さらに食料価格だけではなく、アフリカ諸国では2ヶ月で石油価格が3倍に上昇し、交通手段のコストが上昇しています。

食料価格の上昇

�モザンビーク人にたまっていた不満

食料価格の上昇という、直接的な背景に加えて、市民へのテレビインタビューを見ていると
政府に対してさまざまな不満があることがわかります。
欧米の新聞によれば、以下の2つの理由がが国民の不満を大きくさせているようです。

*モザンビークでは年率7%の経済成長を達成したが、
それらは一部の大資本によるプロジェクトの成長であり、
多くの国民は成長の恩恵を受けていない

*モザンビークでは単独政党が長期にわたり政権運営しているため、国民の不満のはけ口がなく、こうした行為にあらわれやすい。

僕の職場は政府機関なので、執務室には大統領の写真が飾ってありますが、
それでも職場の同僚は「政府は国民のことを全然わかっていないから食料価格を上げるんだ。そしてそのお金は自分たちのポケットの中に入るんだ」
とぐちっていました。
(いろんな人に聞いてみましたが、ロシアやオーストラリアの状況が背景にあることを知っている人は誰一人いませんでした。)

2008の食料価格上昇時にもデモが世界各地で発生したが、
こうしたデモは政権の軍事化を促進したそうです。
しかも明日には僕の住んでいる町でのデモが計画されているとか・・。

高い教育を受けている僕の上司は
「ああいうデモは何も問題を解決しない。火をつけて車を壊していたけれど、
その車を修理するお金は結局政府が出すことになって、ほかの事に使えなくなる。
あんな暴動にはうんざりだよ」
と、デモを嘆いていましたが、
こうして冷静に考えられる人が増えたらああいうことにはならないんだろうなと、
少し日本を思い出しました。